トラブル回避のキーワード


外国為替証拠金取引にかかわる顧客と取扱事業者とのトラブルが急増し、また為替取引を装った詐欺事件なども発生したことで、事業者に対して監督官庁への登録を義務付ることになりました。それが、平成17年7月1日に施行された改正金融先物取引法です。ただし、登録にあたっては、7月1日以前から業務を行っていた取扱業者は、12月末日までの経過措置により、業務を継続しながら登録手続きが行われます。
登録申請の手順は、財務局からの「質問表」に事業計画や内部管理体制を記述、財務諸表、役員や管理者の為替取引に係る職歴書、業務マニュアルなどを添付し、取引のポジション管理状況などについて説明が求められます。7月以降に、電話や訪問勧誘を行っていた法人は「不招請勧誘の禁止」により、また顧客から委託された証拠金を分別保管せず支払不能のおそれのある法人、自己資本規制比率をクリアーできない法人は、「登録申請書」の提出許可が下りないことになります。
質問表による審査を通過した法人は、次に「登録申請書」及び添付書類(経理管理、リスク管理規程、役員の誓約書や株主構成を示す書類、登記簿など)を財務局に提出することになります。この登録申請書を12月28日までに提出した法人は、役員の経歴や自己資本規制比率の計算など、業務を継続しながら審査・検査を受けます。金融庁のホームページに記載される【免許・登録を受けている業者一覧】の「金融先物取引業者」サイトで、「金融先物取引業者登録申請中の業者一覧」PDFに掲示されたのち、「金融先物取引業者」PDFとして登録されることになります。
≪談話≫ 現在までに行政処分や業務改善命令が出された法人は、一連の手続きを始める以前に、当局の処分とほぼ同時に破産手続きが開始されています。予告なく事務所やHPが閉鎖されることで、被害にあった投資家は、会社からの証拠金返還に関しての説明もなく、適切な対応の配慮も受けられずにいる場合がほとんどのようです。改正金融先物取引法はトラブルを未然に防ぐ投資家保護と不正業者の退場を目的に施行されましたが、一挙に表面化した被害者への対応も急がれます。
また、登録申請書の提出をもって、あたかも登録されると誤解を招く先走ったリリースは、投資家にあらたな混乱を呼びかねません。これは、当局も望んではいないと思われます。粛々と登録を行う取扱業者に、本来の”顧客重視” を考える企業姿勢が映ります。


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