「FOMC、やや引き締め志向へ」


FRB議長を筆頭に、FOMCメンバーの顔ぶれも一新する2018年 ・・・ そこで気になるのが「タカ派 vs ハト派」の勢力図 ・・・ その点をはじめ、FRBと地区連銀の特色を解説してくれてる記事があったので、ご紹介!

1月30・31日に開催のFOMCから、政策決定の投票権をもつ地区連銀総裁も入れ替わる ―― まずFOMCの人員構成は、FRBの議長、副議長を含む理事7人と、全米12の地区の連邦準備銀行総裁のうち5人の計12人が投票権を持ち、政策を決める。FRB理事とニューヨーク連銀総裁が常任で、残りの4枠は他地区の連銀総裁が交代で1年ずつ務める。

 2017年      ⇒       2018年
FRB
(中間派)イエレンFRB議長      2月3日退任
(中間派)クオールズFRB副議長    留任
(中間派)パウエルFRB理事      FRB議長就任
(ハト派)ブレイナードFRB理事    留任
 ―― 空席3(マービン・グッドフレンド氏=元リッチモンド連銀調査局長、議会承認手続き中)

地区連銀総裁】,
(中間派)ニューヨーク連銀総裁    ダドリー総裁、年半ば退任
(中間派)フィラデルフィア連銀総裁 (タカ派)メスター・クリーブランド連銀総裁
(中間派)ダラス連銀総裁      (タカ派)バーキン・リッチモンド連銀総裁
(ハト派)シカゴ連銀総裁      (中間派)ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁
(ハト派)ミネアポリス連銀総裁   (中間派)ボスティック・アトランタ連銀総裁

―― 2018年はややタカ派化が進みそう。新たに投票権を得たクリーブランドのメスター氏はタカ派の代表格、1月にリッチモンドの総裁に就任したバーキン氏もタカ派寄りとされる。

問題は、FRB理事の空席が3つもあり、イエレン氏退任(2/3)で4つに増える。次期理事候補のグッドフレンド氏は議会の承認手続き中で、さらに、ダドリーNY総裁も18年半ばの退任を表明。ほかの連銀総裁が結託したり、トランプ政権がタカ派の新理事を指名したりすれば、理屈上はイエレン路線を覆すことも。

タカ・ハトの色分けが、地区連銀ごとにある程度固定化。ミネアポリスはハト派、カンザスシティーはタカ派の牙城 ―― その一因に、FRBの議長、副議長、理事は米大統領が指名し、上院が承認。一方、連銀総裁は地元の経済界や労働者の代表などからなる連銀の役員会が選ぶ。比較的独立した判断が可能だ。

総裁任期は5年だが、本人が希望すれば続投が許されるケースがほとんどだ。数年程度で交代することの多いFRB理事に比べて在任期間が長い。結果として、ある総裁の個性や理論が連銀内に浸透しやすいのだろう。

ほかにも? ―― カンザスシティー連銀の管轄区域であるカンザスやネブラスカ、オクラホマ、ワイオミングといった州は共和党の支持者が多い。共和党は『小さな政府』を志向し、財政規律と物価安定を重んじるため引き締め方向の金融政策に理解がある。

一方、ミネアポリス連銀のあるミネソタ州は民主党が強い。サンフランシスコ連銀を擁するカリフォルニア州も、民主党の金城湯池だ。『大きな政府』と財政拡大・金融緩和策への期待が強くなりがちだ。

FRBや地区連銀は政治から独立しているといわれるけど、「物価の安定」に加え「雇用の最大化」という2つの責務(デュアルマンデート)を負う世界でも珍しい中央銀行。

―― 1977年当時、議会の多数派だった民主党が失業の多さを問題視し改正法に盛り込んだという。FRBは過去40年間、米国内の党派対立にいや応なく巻き込まれてきた。今後はトランプ政権とのかかわり方が注目 ――」
『変わるFRB 18年のFOMCメンバーはやや引き締め志向』(1月27日付・日経QUICK/一部抜粋)

・・・ さ~て、パウエル次期FRB議長は、どんなバランス感で金融政策決定のかじ取りをしていくか? Watch out♪


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