インフレ+金利+外国為替の関係


“日経ヴェリタス” Part2 ・・・ 「インフレと金利、外国為替の関係」 が分かりやすく解説されてました。 その一部を抜粋して紹介すると・・・
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長期金利は、長い目でみると 「実質成長率 + インフレ率」 に、投資家がリスクテークに対して求める見返り(リスクプレミアム)を上乗せした水準に収まる。インフレ率の上昇は長期金利の上昇、つまり債券価格の下落を招きやすい。
通貨の面でも、インフレは値下がり要因。物価上昇は、裏返せばモノに対するカネの価値の下落なので、インフレ率の高い国の “カネ=通貨” ほど実質価値が目減りする ―― インフレリスクは債券価格の下落と通貨安の両面で外債投資の 「天敵」 となる。
為替や金利がいつも教科書通りに動くわけではない。例えば金利上昇は高利回りを求める投資家を引きつけ、短期的に通貨の上昇につながることがある。また、中国のように、輸入価格を抑えるために金融当局が通貨高を誘導するケースもある。
重要なのは、世界の投資マネーが何をテーマに動いているかを常に意識すること ―― 重視するテーマによって通貨の「買い」か「売り」かは大きく変わる。07年までの数年間は、金利差や高成長を背景に豪ドルや新興国通貨に資金が集中した。低インフレと安定成長を両立させたユーロも、「第2の基軸通貨」 として買われた。
ひとたび物価高が加速すれば、インフレが最重要テーマに浮上し、経常赤字の穴埋めを海外からの資金流入に依存している国では、「売りが売りを呼ぶ」状態になると為替水準の維持が難しくなる。大幅に通貨安が進んだアイスランド ・ 南アフリカ共和国は高インフレ・経常赤字の典型例だ――。アイスランド・クローナはわずか3カ月で2割急落。 投機筋に狙われたクローナの下落は、インフレ率の上昇と歩調を合わせ、消費者物価の上昇が加速すると、1クローナ1.8円前後だった通貨も3月半ばに1.3円割れまで一気に売り込まれた――。インフレリスクの顕在化でひとたび通貨危機の様相が強まれば、株式市場からも資金が逃げ出すのは必至だ。
直近で10%超のインフレ率を記録している南ア・エジプト・ロシア、5%超までハードルを下げると中国・トルコ・ハンガリー・インドなど ―― 外為証拠金や外債投資の人気ぶりを考えると、膨大な個人マネーがインフレリスクにさらされている。
“インフレ発” の通貨下落がやっかいなのは、輸入価格上昇でさらに物価高が進む 「負の循環」 に陥りかねないこと。 最悪のケースでは、治安悪化や政情不安などカントリーリスクの表面化に直結しかねない。 東南アジア諸国でコメ騒動が示すように、支出に占める食費の割合が高い新興国では、食糧の値上がりは深刻な社会問題を引き起こす。新興国投資では、従来以上にインフレとカントリーリスクへの目配りが欠かせない――。
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経済指標を “数値” として漠然と見比べるだけでなく、関連付けで読むと、さらに “数値” が面白くなってきそうですネ! 



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