「日本も双子の赤字へ」不気味な数字


日本の財政は? といえば、言わずと知れた “国民お一人様あたり460万円也” の借金大国。 それでも、米国の代名詞 「双子の赤字」 なる汚名は、貿易黒字国として何とか避けてこれた日本 ・・・ ところが、「22日発表予定の3月貿易統計速報(通関ベース=財務省)で、貿易収支は1000億円程度の赤字に――」(日経ヴェリタス) ・・・ 民間エコノミストの平均予測だそうですが、「貿易収支は07年度の10兆円の黒字から、すでに08年4月~09年2月の累計は7300億円の赤字で、08年度は8000億円を超す赤字に転落」 が確実のようです。
ただ、面白いと思ったのは、「08年度の貿易収支は、赤字と黒字の “2つの記録” が残る可能性も ―― 5月13日発表の “国際収支統計” をベースにした貿易収支では、黒字を維持しそう」なんだそうです。
どうしてかというと、「輸入額の集計方法が、貿易統計(通関統計)と国際収支統計で異なるからで、貿易統計の輸入額は輸入にかかる運賃・保険料込みのCIFベース、国際収支統計は運賃・保険料抜きのFOBベースで計算する ―― 08年度前半に、原油価格高騰の影響で輸送運賃も上昇したため、運賃込みで輸入額を計算する貿易統計のほうが輸入額が大きくなり、貿易収支の悪化要因が大きく出るというわけ」
さらに、「サービス収支や個人や企業や金融機関が海外に投資して稼ぐ所得収支なども含めた “経常収支” 動向 ―― 08年度の経常収支の黒字額は07年度に比べ半減する見通しで、貿易収支の落ち込みを所得収支の稼ぎで埋めることも難しくなった格好――」
ところで、ダラス連邦準備銀行総裁は今回の危機の原因を、「冷戦終結後、中国やインドなど新興国が台頭し何十億人もの人々が生産・消費に加わり、世界経済に新しい構造をもたらした。そこに過剰が発生し、どこかの時点で調整は避けられなかった」 と語ったそうですが、「世界経済は米国の赤字拡大、その他の国の黒字拡大という不均衡下で高成長を続けていた――。
それが今回の危機で、不均衡是正のもと、日本の貿易赤字転落もこうした世界経済の変動の一断面ととらえることもできる」 という解説に、そろそろ日本は古典的な輸出で潤う国からの脱却を模索しないと、経済大国からの脱落は案外早期に訪れることになるかも(?) … このショッキングな貿易収支の数字を、マーケットが織り込んでるといいのですが┐(-_- )┌ ?


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