通貨切り上げと話題のイスラム金融


風邪を引いてしまったようです。気だるい症状ですが、時期柄おおめのアルコール消毒で夜な夜な治します。

さて、5日OPECは原油増産の見送りを決めたようですね。これでまた、原油上昇に拍車がかからなければいいのですが! ・・・ そして、湾岸協力会議(GCC)の首脳会議(ドーハ/4日)では、インフレ対策として焦点だった加盟国通貨のドル連動(ペッグ)制維持の是非について結論を先送り! ・・・ 輸入価格上昇を抑えるため、ドルペッグを維持したうえで通貨の切り上げを容認。ドルの基軸通貨としての信認が揺らいでいる表れでもあり、中長期的にはドル安進行の地合い―。(日経新聞朝刊・5日/一部抜粋)

UAEの消費者物価上昇率は年10%前後で、年内にも97年ドルペッグ導入後初の通貨 「ディルハム」 切り上げに踏み切る構え。米国の追加利下げに追随すれば、インフレを一段と悪化させるとの懸念から、サウジ・カタール・バーレーン・オマーンも同様に検討―。中東諸国は、域内の関税や様々な貿易障壁の撤廃に努め、ユーロのような域内単一通貨発行を伴う通貨同盟の完成は、予定通り2010年を目指してるようです―。 東アジア域内の単一通貨構想は、どうなってしまってるんでしょうか?

・・・ ところで、オイルマネーで注目される 「イスラム金融」 を分かりやすく解説する “特集ワイド:イスラム金融って何” (毎日jp) を見つけました。一読の価値ありです! チョッピリ、その一部を紹介します。

―― 「イスラム金融」とは、イスラムの教義に基づいた金融手法のこと。一般の金融と比べて特異なのは「利子」がない。これは、イスラムの教典「コーラン」が利息を取ることを禁じているからだ。

◆ 二つの特異点
イスラム金融が一般の金融と違う点は2つ :
 (1) 利子がないというよりも、金利という概念を用いないこと。
 (2) 豚肉・アルコール・賭博・武器・ポルノなど、イスラム法(シャリア)に反する事業との取引が禁止されていること。

銀行は金利を取らずに融資したのでは経営が成り立つはずがない。イスラムの教えでは、実物のモノが動かない、お金だけの取引を認めないが、モノが動く商品の売買で利益を上げたり、事業に出資して配当を受けたりすることは奨励される。そこで、イスラム金融では、金利ではなく、「投資」や「商品取引」を絡ませて、普通の金融と同じ機能が果たせるように、仕組みが考えられている。

◆ なぜ拡大したか
01年の米国同時多発テロ直後から、米国金融当局による資産凍結などを恐れて、中東産油国の投資家が、米国に置いていた資産を引き揚げ、さらにここにきての原油価格高騰で、中東産油国の石油輸出は年間5000億ドルを超え、うち半分程度が域外に投資されるといわれる。中東オイルマネーの大半は普通の金融によって運用されてきたのだが、イスラム金融がその受け皿となりつつある。

  ・ 金利の代わりに投資や商品取引
  ・ 伸び率年15%
  ・ 市場規模 1兆ドル
  ・ 原資は中東のオイルマネー

ところで、イスラム金融の歴史は決して古くない。世界で最初の近代イスラム金融機関は、75年のドバイ・イスラム銀行とされているから、30年余りの歴史でしかない。それ以前はイスラム教徒にとって不本意でも、金利のある普通の銀行を使うしか選択肢がなかった――。 (「イスラム金融って何」 から一部抜粋)

(*) GCCは、サウジ(リヤル)、UAE(ディルハム)、カタール(リヤル)、クウェート(ディナール)、バーレーン(ディナール)、オマーン(リアル)というペルシャ湾岸の6産油国で構成。クウェートは07年5月にドルペッグ制廃止し、通貨バスケット連動性に移行。


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