空手形ではますます買えないドル!


「原油高を招く対ユーロでのドル安基調 ―― 背景には、米当局のドル安防止姿勢に頼りなさ」 ・・・ 日経ヴェリタス(6/22付)の 「ますます買えないドル」 という記事は興味深いものでした。
6月の為替相場は、「ドル安反転か?」 と市場が浮き立った要因に:
3日 バーナンキFRB議長が、ドル安警戒発言 ⇒ 早期の米利上げ観測が広まる。
9日 ポールソン財務長官が、ドル買いの為替介入を示唆。
13-14日 G8財務相会合で、「ドル高容認」。
ところが先週 ・・・ 「FRBが自ら “火消し” にまわりはしごを外された ―― 海外有力紙がいっせいに早期利上げに懐疑的な報道をしたのは、『行き過ぎた金利先高観に驚いたFRBのリーク』 というお粗末な “ドタバタ劇“」(日経ヴェリタス) ・・・ 米国が苦悩する金融政策の裏舞台を覗いた気がする、そんな記事の内容は:
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「ドル買いの為替介入」 ―― そもそも米国は、ドル売り介入に比べて “ドル買い介入には慎重” ―― “自国通貨買い介入” が効きにくいのは、その原資が一般的には外貨準備に限られるため。 自国通貨を使って比較的自由に手掛けられる “自国通貨売り介入” と異なり、元手に制約がある以上、効果にも限りがある――。ドル買い支えの成功には、逆に自国通貨売りの介入となる他国の参加が必要になる。 原油相場との相関関係を強めるドル・ユーロ相場。 欧州中央銀行はユーロ売り・ドル買い介入に付き合うだろうか。
トリシェECB総裁は、7月初めの理事会での利上げを事実上予告済み。 利上げしようという中央銀行が、その一方で金融緩和効果を持つ自国通貨売り介入をすると、”ブレーキとアクセルを同時に踏む” 奇妙なことになってしまう――。こう考えると、バーナンキ議長に続きポールソン長官の発言までが “空手形” に終わるのでは、という不安感が漂う。 ドルはますます買えない。
米国にとって “援軍” は、ユーロ高に対する不満が欧州内にもくすぶること――。トリシェ総裁も、7月の利上げ決定後の記者会見では、これが連続的な利上げの開始なのかについて明言を避けるなど、利上げがユーロ買いをあおらないよう配慮する可能性がある。 その程度の工夫でドル安が避けられれば、米国にとっては “めでたし、めでたし” ―― いずれにせよ、「ドル安・ユーロ高 ⇒ 原油高 ⇒ 米株安」 というリンクが切れない限り、市場参加者がドル安防止への米国の “本気度” を問う局面は続く――。
[日経ヴェリタス/一部抜粋]
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信用不安の再燃で、株価下落とドル売りが進んでしまった先週末 ・・・ 「な~あんだ、単なる持ち高調整だったのか」 で済んでくれてれば “御の字” なのですが、前記のリンクは “腐れ縁” のように、しばらくは切れそうにもありませんネ? マーケットもカラッと梅雨明けしてほしいところです!
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[22日朝のBlog] 
―― 「プロに学ぶFX」 日経ヴェリタス ――



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