グリーンスパンの著書の中身―バブルは副産物?


グリーンスパンFRB前議長が、ペーパーバック版 “The Age of Turbulence” (邦題 「波乱の時代」) を出版、今日の日経ヴェリタスが同書を読み解いてました。 サブプライムローン問題で「戦犯」という見方もある同氏が、どうそれに反論してるのか? 興味を持って読んでみると ・・・
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住宅バブルは、なぜ起きたのか? 防げなかったのか? 行き過ぎた金融緩和のせいでなかったのか? ――
「今回の住宅バブルや90年代後半の株価バブルの源をたどると ―― 冷戦後、世界のほぼ全域に市場経済が広がり、5億人もの労働者が流れ込んだ。競争激化や労働コストの低下で物価の伸びは抑えられ、新興国で膨らんだ余剰資金が市場にあふれた。 その結末が世界的な長期金利低下であり、これが世界的な資産価格上昇をもたらした。これに対して中央銀行は “大波の中で揺れる小舟” のようなもので、無力な存在だ。 サブプライムローンが原因にならなければ、他の金融商品や市場の問題が危機の引き金になっていたはずだ。導火線に火をつけたのは世界的に起きた異常なリスクの過小評価だ
「長期金利の低下は、より高利回りの商品への渇望を生み、リスクへの感度を鈍らせていく。その中で投資銀行や投資家の心をとらえたのがサブプライムローンを証券化した高利回り商品。投資家の証券化商品に対する需要増加が高リスクのサブプライムローンの組成を催促するという異常現象も起きた」
世界で起きている様々な変化を凝縮して映し出す市場の価格を極力尊重すべきだという基本的な信念がある――。個人の自由意思を尊重し政府の介入を嫌う、自他共に認める “リバタリアン” だそうで、「自由な経済活動と市場機能をどの国よりも重視するからこそ、米国経済は他の国にない強じんさを持つ」 と見ている。 [日経ヴェリタス/一部抜粋]
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また、グリーンスパン氏は、「心の奥底にはバブルはあってもいいという見方も潜んでいるようだ ―― 最近の英紙との会見では 『90年代にインターネットの商業化が進んだ時のように、バブルはしばしばイノベーションの副産物でもある』 と指摘。 貯蓄を最も生産的な投資に向けるという金融システムの基本的な機能を損なうようなバブルつぶしはむしろ有害という判断だ。『ソ連にバブルはなかった』 とも述べている――」
・・・ 長いスパンで、あとから歴史を紐解けば、“サブプライム問題? そんなこともあったっけ!” で終わっちゃうかもしれませんが、バブルの後始末に追われる現在に生きる投資家にとっては、「中央銀行は時に無力」 で済まされてしまっては “たまったもんじゃない!” というのが本音でしょうネ。



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