ソロス・チャートが示すシグナル…


「為替相場が方向感を見失っている」 ・・・ プロでも相場予想が二転三転する最近の為替動向に、”まったくだ!” とFXトレーダーの思いを代弁する表現で始まった今日の日経ヴェリタス・トップページ。
今回の金融危機の発端はといえば、忘れちゃいそうですが 「サブプライムローン問題が表面化した07年8月の “パリバ・ショック”」 ・・・ それから1年半以上たって、「もう?」 と感じたか、それとも 「まだ?」、と受け止め方は様々でしょうが、FXトレーダーが気になるのは 「やがて訪れる危機後のドル相場」・・・
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為替相場が影響を受けやすい3要因 ―― (1)通貨間の「金利差」 (2)経常収支に象徴される「国力差」 (3)市場に流通しているマネーの量を表す「需給差」。
(1) 円とドルの関係について考えると、日米両国は異例の超金融緩和ですでに政策金利を0%間際まで引き下げ、FRBによる長期国債の購入決定で、日米長期金利差も縮小。
(2) レバレッジを効かせたような大規模な資本取引が急速に細ったことで、モノの取引を映す経常収支、つまり対外的な「国力差」が為替相場に与える影響が大きくなる。 その「国力差」も大幅に縮小している。
(3) 「需給差」を見ると、マネー供給量が急膨張しているドルよりも、円の方が相対的に優位性を持つ。 実際、日米のマネタリーベースの伸び率の比率と円・ドル相場の相関性を表す “ソロス・チャート”(*) は、「円高・ドル安」 のシグナルを発している。
(日経ヴェリタス/一部抜粋)
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再び “ソロス・チャート” が取り上げられてましたが、神経質な為替相場もいずれ金融危機が回復すれば、カントリー・リスクが高い新興国通貨の “買い” は再開され、さらにレバレッジを効かした取引も大いに復活する “平時” に戻るんでしょうネ!?
(*) 参照: 「ソロス・チャート」 は円高を暗示? (12/28/2008UP)
・・・ 市中に流通する資金量を示すマネタリーベース(通貨と当座預金の合計)と為替相場の相関関係を示す “ソロス・チャート”。
日本のマネタリーベース伸び率を米国のマネタリーベース伸び率で割って算出するため、ドル供給が増えれば、数値は小さくなる。 一般に市中への通貨供給量が増えれば、通貨価値が低下して為替相場に下押し圧力が働く。 日銀が量的緩和政策を導入し、市場に大量の資金を供給した01年には、日本のマネタリーベース伸び率が米国を大きく上回り、円安・ドル高が進んだ。

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[29日午後のBlog] ―― 著名ストラテジスト7人衆の相場観 ――
ドルについて、「弱気派と強気派で、見方が真っ二つ」 ・・・ 日経ヴェリタスに登場した著名7人の為替ストラテジスト。 ドルは 「基軸通貨の地位を保つ」 と全員が回答したのに対し、年末に向けたドル円相場では4対3と割れ、85円 vs 115円。 ちなみにユーロ円も、110円 vs 132円。
◇ ドル弱気派= 金融問題は年内に解決せず、低金利政策や財政赤字拡大で魅力に欠く。
◇ ドル強気派= むしろ円とユーロに悲観的な見方。 中・東欧経済情勢の不透明感や日本の経常黒字縮小・対外投資拡大でマネーはドルへ流れる。
「危機はいつまで続くのだろうか?」 ・・・ という気になる疑問には、「既に最悪期を脱した」=2人、「2009年秋」=2人、「10年3月」=2人、「10年度以降になる」=1人 ・・・ 意外と早く脱しそうで、何か明るい気分にさせてくれます。
そのほかに、「金融危機後のドル安」シナリオや「ユーロに対する悲観的な見方」も紹介されていて、結局のところ、名の知れたストラテジストやエコノミストの考えはそれぞれバラバラで、ドルの方向感を推測するのは難しい! ってことがよく分かった記事でした。


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