レバレッジ規制は「機会損失」


「ピッ」。「おぉー!」、「わー!」 ・・・ ETC搭載で、土日祝日に地方の高速道路料金が上限1000円に引き下げられたことも影響してか、大渋滞の高速道路やパーキングエリアの模様が連日TVで伝えられてますが、日経ヴェリタスの連載ドラマ 「定年ですよ」 は、ちょっと面白いものでした・・・
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付けたてホヤホヤのETC。 初めて高速の入り口を無事、ノンストップで通過した時、車内は盛大な歓声に包まれた。 はしゃぐ一人息子の姿をバックミラーで見ながら、「やっぱり、付けて良かったな」とAは助手席の妻に話しかけた。「なんたって1000円だもんね」
―― 「ほら、これが “ふんわり発進”」。 新たに仕入れたエコドライブのテクニックなぞ、披露してみる。 アクセルをふんわりと踏み込み徐々に加速するだけで、燃費が格段によくなるらしい。 1万キロ走ると80リットル以上違ってくるから1万円近い節約効果
―― 1時間後。 車内は重苦しい雰囲気に包まれていた。 前にも後ろにも横にも、車、車、車の列。 “ふんわり” どころか、ガクッと発進するやピタッと止まる繰り返しだ。 電光掲示板には 「渋滞60キロ」 の非情な文字が赤く光る。 一説に渋滞1キロ抜けるには5分かかるともいう。 と、すると ・・・ 5時間! 「ったく。 ちょっとぐらい安いからって殺到するなよ」
「やっぱり、高くても飛行機にすればよかったんじゃない? 5時間も車に座ってる時間でいろんなことができたもん。 まさに 『時は金なり』 だね。 少しのお金をケチって全体としては大きく損するこーゆーの、経済学で 『機会損失』 って言うんだっけ?」 とAの妻。
―― 「お飲み物はいかがですか、Bさま」 ―― 同じころ、Bは機上の人となっていた。「ありがとう」。 客室乗務員におうようにうなずき、シャンパンのグラスを手に取る ―― マニラ行きファーストクラス。 過去3年の出張やカード利用代金、計約600万円分でたまったマイレージで交換した特典航空券だ。
「二重通貨決済機能付きクレジットカードも持ったし、FXで安く調達したドルのキャッシュもあるし・・・」 ―― だが、為替は変動が大きく読みにくい。 普通のクレジットカードだと現地で買い物をして、円に換算して引き落とされる1~2カ月のタイムラグの間に円安が進めば、思わぬ “差損” を被る。 二重通貨決済機能付きなら自分のドル預金口座からそのまま引き落とすことができるのだ。 また、日本でドルを準備する際はFX(外国為替証拠金取引)が役に立つ。 銀行では1ドル当たり1円かかる為替手数料が20銭程度で済む――。 
(「おトクはつらいよGWの旅」一部抜粋)
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「片道約2万2000円かかっていた東京―福岡間が3000円前後になって、往復で約4万円のオトク――」 なんていう心理的な隙を突かれて、ついこの大型連休でドライブで帰省・旅行されている方も多いようですが ・・・ それに比べて、金融庁が検討するという “レバレッジを30倍前後に” しようとする規制は、全く逆の発想。
「車を持つ、持たないでは生涯保有コストが1000万円も違ってくる。 でもヤッパリ車は便利だし、せっかくの優遇策を使わない手はない。 景気が悪くなるたびに庶民に家を建てさせたり、車を買わせたりして、都合良く誘導されているのはわかっている。 シャクには触るが目の前のオトクも捨てがたい」 と国民を錯覚させる優遇策。 ところが、この “策略” とはまったく逆に、金融商品としての魅力を半減させるばかりでなく、「FX取引してみようか!」 という投資家の心理を落ち込ませる “FXのレバレッジ規制” には、一理もないように思えちゃいます。


FXは投機的? 何らかの理由があったはず!? 04/26UP


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